@contaxndigitalさんから ECOTEST TERRA-P をお借りすることができました.ありがとうございます.
ECOTEST TERRA-P の使用感などをまとめてみました.
一緒にお借りしたTERRA-黒BTのレビューもありますので,あわせて見て頂ければ幸いです.
ECOTEST TERRA-P はガイガーミュラー管を使用した放射線測定器(ガイガーカウンター)です.
特徴としては,
お借りした ECOTEST TERRA-P は次のような感じです.
小さい箱に入っており,保護用のカバーが付属するようです.
裏側には電池カバーと,GM管のカバーがあります.
それぞれ開けた時は次のような感じです.
マニュアルは,簡易マニュアルと,冊子のマニュアルがあります.
簡易マニュアルはこんな感じで,それぞれの使い方が簡単に書いてあります.
大きさの比較です.
DSiより小さいくらい.
堀場 PA-1000 Radi・TERRAのBTモデルとのサイズ比較は次のような感じです.
実際に持つと,細身なせいか,写真以上に小さい印象です.
左から「線量率」「積算線量」「時計」「タイマー」となっています.
電源投入後の様子を撮影しました.
点滅中はある程度の誤差があるという意味になります.
点滅が止まってから線量率を読み取ります.
暫く測定すると,線量率の点滅がとまります.
この点滅が止まる時間を,いろいろな線量率で調べてみました.
低線量では3分前後かかりますが,1μSv/hでは1分弱,2.5μSv/hで30秒くらいになるようです.
TERRA黒とちょうど同じ時間で停止していますので,誤差の%は表示されませんが,
処理のロジックとしては同一のようです.
密封線源を近づけたときの反応の様子を撮影しました.
前半はセシウム137線源,後半で複数の線源を近づけています.
TERRAの黒Bluetoothモデルよりは,比較的早くアラームが止まる印象です.
(線源を近づける前の測定状況にもよるのかもしれませんが…)
すぐにアラームを止めた場合は,左のTHRESHOLDボタンで統計をリセットすれば止まります.
身近なところでβ線の測定をいくつか行ってみました.
γ線・β線それぞれ5分ずつくらい測定しました.
サムネイルをクリックすると測定場所の写真が大きくなります.
TERRA-P は,β線用のモードが無いので,本体裏のカバーを外してβ線を測ったとき,
表示はμSv/h になります.
しかし,表示される差分のSv/hはβ線の単位としては正しくないので,誤解しないようにする必要があります.
(数値の大小でβ線の量を判断するだけにして,β線が○μSv/hあったと考えてはいけません)
また,β線測定時は,β線の分だけSv/hが高くなりますが,それがそのまま積算線量にも加算されてしまいます.
積算線量を測る場合は,β線測定機能は利用しないようにする必要があります.
液晶の視野角がかなり狭いようです.
正面からは普通に見えるのですが,斜めから見ると数値が読めなくなってしまいます.
他の線量計の液晶ではそのようなことがないので,TERRAで使用されている液晶の特性なのだと思います.
通常は正面から見れば良いのでそんなに不便は無いと思いますが,
どこかにおいてβ線を測るときなどは,角度によっては見づらいことがあります.
お借りしてしばらく使わせて頂きましたが,一定誤差タイプであるため,
ある場所の線量率を測りやすいのが便利です.
時定数タイプだと,どうしても線量率の表示がふらついてしまうため,
線量率の平均値を自分で出すなどしないと,なかなか正確な線量率を把握しにくいです.
一定誤差タイプなので,誤差が一定になるように測定時間の方が変動します.
いろいろな場所で線量を測るのに使い勝手が良いと思います.
一方,β線測定もできるのもメリットですが,エネルギーの高いβ線しか感知しないため,
β線測定を目的にする場合は,低いエネルギーのβ線も検出できる機種とも検討した方が良いかもしれません.
セシウム137やストロンチウム90は,0.5MeVを少し超えたくらいがβ線の最大エネルギーですので,
スペック上の0.5MeV~の検出では,一部のβ線しか検出できないことになりますが,
実際に測定するとかなり反応します.
感度は落ちますが,セシウム137の検出にも十分役に立つと思います.
また,積算線量も測れるのですが,1μSv単位ですので,1日単位で把握するにはちょっと単位が粗くなってしまいます.
毎週や毎月の単位で大まかに知る目的としては,積算線量計としても利用できると思います.
(ただし,汚染箇所を探したりすると,それによってズレは出てしまいますが…)
写真だとなかなか分かりにくいですが,測定器の中ではかなり小さい方になると思います.
まずはγ線で空間線量を色々測りたいというときに,比較的安く,かつ入手しやすい機種として良い測定器だと感じました.