放射線測定器・ガイガーカウンターを購入したものの,
	計測値がふらついてどう数値を読めば良いかわからない,
	という方は結構いらっしゃるのではないかと思います.
	
	感度が低い測定器の場合,長時間の平均値を算出しないと値が安定しませんが,
	測定器によってはそういった平均か処理をあまりしないために,
	表示する数値がふらついてしまいます.
	
	そこで,測定値を入力することで,平均値を計算できるツールを作成しました.
	
	ツール自体は以下のURLにありますので,別ウィンドウで開きながら説明をお読みください.
	
	最初に「入力単位」「表示単位」を設定します.
	
	その後,「測定結果」欄に,半角数字で,測定値を1行に1つずつ入れていきます.
	入力中にリターンキーを押すか,「グラフを更新」ボタンを押すとグラフと平均値が更新されます.
	
	「この結果のURL」にアクセスすると,入力値を再現した画面が表示されます.
	まずは測定器のマニュアルなどを参照して,その機種が過去何秒間の平均値を表示しているか確認します.
	
	例えば,過去30秒の平均値を表示する測定器であれば,30秒ごとに測定器の表示を見て,
	その数値を入力していきます.
	この場合,測定値を読み取り損ねた場合は,その次の数値を入力し,
	数値を見てから更に30秒後を次の数値とします.
	(30秒より短い間隔で読み取るのはNGですが,間が開くのは問題ありません)
	
	また,表示が変わっていない(前と同じ数値)のときも,その数値を入力する必要があります.
	同じ数値のときに入力を飛ばすと正しく計算できないので注意して下さい.
	
	タイマー欄に前回入力してからの経過時間が表示されますので,こちらを見て経過時間を判断してください.
	
	平均時間がわからない場合は,表示が変わるたびに入力を行います.
	
	主要な機能の平均値の計測時間は以下の通りです.
	
	
| 機種名 | 計測時間 | 
|---|---|
| HORIBA PA-1000 Radi | 
				60秒平均なので,60秒ごとに読み取ります. | 
		
| Mr.Gamma A2700型 | 
				60秒平均なので,60秒ごとに読み取ります. | 
		
| TechnoAP TA-100 | 
				AUTOですと自動切り替えになりますので,手動で時定数を設定して使います. 最長の90秒に設定し,90秒毎に読み取るのがお勧めです. ただし,アナログ式の計算なので,大きく変化した場合,90秒まっても前回の値から63%ほどしか変化しません. 3倍の270秒待てば95%まで変化しますので,より精度を高めたい場合は長めに待つと良いと思います.  | 
		
| Inspector+ | 
				線量に応じて平均時間がかわります. 6,000cpm(17.5μSv/h)未満で30秒, 12,000cpm(36μSv/h)未満で6秒, それ以上で3秒です. 設定で3秒平均固定に設定することもできますので, その設定をしていないか注意してください.  | 
		
| 
				Digilert 100 Radalert 100 Digital Radiation Monitor (DRM-BTD)  | 
			
				線量に応じて平均時間がかわります. 1,000cpm(10μSv/h)未満で60秒, それ以上で3秒です. 設定で3秒平均固定に設定することもできますので, その設定をしていないか注意してください.  | 
		
| RadEye G-10 | 
				線量に応じて平均時間がかわります. ~1μSv/hで60秒,~3μSv/hで20秒,~10μSv/hで3秒になります. そのときの線量の時間間隔で読み取ります.  | 
		
| RadEye B20(B20-ER) | 
				線量に応じて平均時間がかわります. ~1μSv/hで10秒,~3μSv/hで5秒,~10μSv/hで2秒になります. そのときの線量の時間間隔で読み取ります.  | 
		
| ALOKA TCS-171B/172B | 
				3,10,30秒を切り替えられます. 30秒に設定し,30秒毎に読み取ると良いと思います.  | 
		
| RADEX RD1503 | 
				本体に160秒での平均化機能がありますので,基本的にはこのツールを使う必要はありません. □の周りが棒で囲まれるまで待って,そのときの数値を読めば平均値が読み取れます. より正確に線量を調べたいときは,160秒(2:40)ごとに読み取って下さい.  | 
		
| RADEX RD1706 | 
				本体に104秒での平均化機能がありますので,基本的にはこのツールを使う必要はありません. □の周りが棒で囲まれるまで待って,そのときの数値を読めば平均値が読み取れます. より正確に線量を調べたいときは,104秒(1:44)ごとに読み取って下さい.  | 
		
| RADEX 1008 | 
				本体に168秒での平均化機能がありますので,基本的にはこのツールを使う必要はありません. GAMMA表示の左側にある横線のバーが貯まっていき,8個になった後に数値を読めば平均値が読み取れます. より正確に線量を調べたいときは,168秒(2:48)ごとに読み取って下さい.  | 
		
| TERRA | 
				5~70秒のようですが,どのくらいで平均値を取っているのか不明です. 線量が安定していれば,3分間くらいの平均値を出しているようですので, 3分間まってから数値を読むのが良いと思います. より正確に線量を調べたいときは,3分ごとくらいに読み取ると良いと思います.  | 
		
	左から順に,計測値が赤い○で表示されます.
	
	青い線は,その計測値までのデータでの平均値です.
	また,上下に伸びる青く塗られた領域は,誤差の範囲を表しています.
	濃い色は,平均値の誤差の範囲(95%の確率で平均値がその中に入るエリア),
	薄い色は,測定値の誤差の範囲(95%の確率で測定値がその中に入るエリア),を表しています.
	
	計測値を入力していっても,誤差が改善していかない場合は,
	それ以上の入力を行ってもより正確な数値を知ることは難しいと判断できます.
	
	緑の線は,計測値を近似した直線です.
	その場の線量が一定であれば,ほぼ水平になります.
	水平にならない場合は,計測値のぶれが大きいか,その場の線量が変化しているかのどちらかとなります.
	μSv/h表示などができず,cpm/cps表示のみの機種の場合は,
	その機種の○cpm/μSv/hの数値を「cpm設定」に記入しておけば,
	単位の変換が行えます.
	測定結果をTwitterに投稿できます.
	投稿時に記載される数値は「平均値の推定値(95%信頼区間)」の値です.