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事故による被曝量試算・増加リスク判断ツール

放射線の被曝量を,外部被曝・内部被曝でそれぞれ試算し,自分の積算被曝量を計算するツールです.

被曝量を計算することで,リスクがどのくらいあるのか判断する材料になります.

フォームに数値を入力して,シミュレーションボタンを押してください.
電卓アイコンを押すと,簡単な計算をして,その結果を入力することができます.

年齢設定

結果の表示と,内部被曝の計算で年齢を使用します.
現時点の年齢を設定してください.

現在の年齢

環境半減期の設定

障害の被曝量を計算する場合,放射性物質がどのように減っていくかが大きな影響を与えます.

放射性物質自体も時間が経つと半減し,ヨウ素 I131 なら約8日,セシウム Cs137 なら約30年で半減します.
しかし,福島事故の影響を考えるときには,身の回りや食品中の放射性物質の量がどのように変化するかが重要です.

などの影響を考える必要があります.

過去の調査では,長崎の場合は環境半減期が約7年だったとされています.
参考:放射線被ばくに関するQ&A

そのため,セシウムが主な原因と思われる外部被曝・その他被曝ではデフォルトを7.0年にしました.
また,内部被曝については,セシウムCs137は外部被曝と同様に7.0年,ヨウ素I131は放射性物質自体の半減期として0.02年にしています.

海洋に流れ出した放射性物質などは,今後長期間残存するかもしれません.
そのような場合,魚などの食品中に含まれるセシウムCs137はなかなか減らない可能性があります.
そういった部分を考慮したい場合などは,半減期を長く設定してください.

外部被曝

外部被曝量を試算します.
放射線測定器で測定した数値を使うか,近隣の放射線量発表値を使って滞在場所毎に線量を記載してください.
毎日同じパターンの場合は,滞在時間を全て「×1日」としてください.
平日と土日で別パターンにする場合は,平日は「×5日」,土日は「×2日」のように記入してください.

環境半減期
[説明を見る]
年ごとに人工放射線が半分になるとして計算
0を入力すると減衰を計算しません.

[記入例を見る]
自然放射線量がよくわからない場合は,以下を参考にしてください.

事故以前の平均測定値です

都道府県 放射線量(平均値)
北海道0.072μSv/h
青森県0.053μSv/h
岩手県0.058μSv/h
宮城県0.067μSv/h
秋田県0.072μSv/h
山形県0.069μSv/h
福島県0.075μSv/h
茨城県0.061μSv/h
栃木県0.059μSv/h
群馬県0.065μSv/h
埼玉県0.073μSv/h
千葉県0.050μSv/h
東京都0.051μSv/h
神奈川県0.055μSv/h
新潟県0.087μSv/h
富山県0.098μSv/h
石川県0.094μSv/h
福井県0.085μSv/h
山梨県0.084μSv/h
長野県0.087μSv/h
岐阜県0.096μSv/h
静岡県0.083μSv/h
愛知県0.098μSv/h
三重県0.073μSv/h
滋賀県0.099μSv/h
京都府0.083μSv/h
大阪府0.101μSv/h
兵庫県0.105μSv/h
奈良県0.064μSv/h
和歌山県0.095μSv/h
鳥取県0.107μSv/h
島根県0.084μSv/h
岡山県0.093μSv/h
広島県0.120μSv/h
山口県0.132μSv/h
徳島県0.076μSv/h
香川県0.081μSv/h
愛媛県0.118μSv/h
高知県0.061μSv/h
福岡県0.075μSv/h
佐賀県0.083μSv/h
長崎県0.063μSv/h
熊本県0.051μSv/h
大分県0.087μSv/h
宮崎県0.051μSv/h
鹿児島県0.075μSv/h
沖縄県0.068μSv/h

毎日同じパターン

滞在場所 滞在時間 全放射線量 うち自然放射線量
1日時間× μSv/h μSv/h
1日時間× μSv/h μSv/h
1日時間× μSv/h μSv/h
合計 24.0時間(1.00日)ごとに0.705μSvの人工放射線被曝

平日・土日で別のパターン

滞在場所 滞在時間 全放射線量 うち自然放射線量
1日時間× μSv/h μSv/h
1日時間× μSv/h μSv/h
1日時間× μSv/h μSv/h
1日時間× μSv/h μSv/h
1日時間× μSv/h μSv/h
合計 168.0時間(7.00日)ごとに4.725μSvの被曝


滞在場所 滞在時間 全放射線量 うち自然放射線量
1日時間× μSv/h μSv/h
合計 24.0時間(1.00日)ごとに0.960μSvの人工放射線被曝

入力する上で

測定器正確さ備考
モニタリングポスト 吸収線量で測定をしているため,若干小さい数値が出ます.
測定環境によりますが,およそ1.4倍した数値を入力するとより正確になります.
参考:小型放射線測定器(DoseRAE2)と TCS-166 との測定値の違いについて
ALOKA TCS-166
Inspector+
Digilert 100
Digital Radiation Monitor (DRM-BTD)
×
オプション使用時○
オプションのワイプテストプレートを使う必要があります.
これを使用しない場合,アルミ板等によりβ線を遮蔽するか,地上1mで測定すれば実際の数値に近くなります.
ALOKA TCS-171B/172B
HORIBA PA-1000 Radi
クリアパルス Mr.Gamma A2700
RadEye PRD
RadEye B20(B20-ER) ×
オプション使用時◎
オプションのγエネルギーフィルタを装着すると,正確な測定が可能です.
Polimaster PM1610
Polimaster PM1621
Polimaster PM703M
GAMMA-SCOUT γ線のみ測定時○ α・β線を含めて測定した時の数値を使うと大幅に過大評価になります.
RADEX RD1503/RD1706 アルミ板等によりβ線を遮蔽するか,地上1mで測定すれば実際の数値に近くなります.
β線が遮断されていない場合,過大評価となります.
RADEX RD1006
TERRA 測定は開閉可能な背面カバーを閉めた状態で行う必要があります.
カバーを開いたときの測定値を使うと大幅に過大評価になります.
DoseRAE2
GammaRAE II R
Coliy Radiation Scanner Model 900 γ線のみ測定時○ α・β線を含めて測定した時の数値を使うと大幅に過大評価になります.

内部被曝(食品)

食品は食べたもの全てについて個々に算出するのは現実的ではないので, 食べ物の種類毎に平均で基準値のどのくらいの放射性物質を取得してしまうかを元に試算します.

食品の種類別に,その食品の平均的な汚染度合いを設定してください.
標準的な食品の摂取量を元に,内部被曝量を計算します.

ヨウ素I31の環境半減期
[説明を見る]
年ごとに食品中のI131が半分になるとして計算
0を入力すると減衰を計算しません.
セシウムCs137の環境半減期
[説明を見る]
年ごとに食品中のCs137が半分になるとして計算
0を入力すると減衰を計算しません.

食品の種類
表示する摂取量:
放射性物質 摂取量の設定
穀類
g/日
セシウム Cs137 0 Bq/kg
果実類
g/日
ヨウ素 I131 0 Bq/kg
セシウム Cs137 0 Bq/kg
野菜類
g/日
ヨウ素 I131 0 Bq/kg
セシウム Cs137 0 Bq/kg
魚介類
g/日
ヨウ素 I131 0 Bq/kg
セシウム Cs137 0 Bq/kg
牛乳
乳製品
g/日
ヨウ素 I131 0 Bq/kg
セシウム Cs137 0 Bq/kg
肉・卵・海草
その他
g/日
セシウム Cs137 0 Bq/kg

入力する上で

内部被曝(呼吸・水)

現在は大気中の放射性物質は十分減りましたし, 水道水も低い水準であるため,シミュレーションページは用意していません.

気になる場合は,別途被曝量を計算の上,その他被曝欄を使って数値を入力してください.

その他被曝

項目名 追加線量 環境半減期
[説明を見る]
μSv 被曝する
合計 最初に0.000μSv、以降年間0.000μSvの被曝

入力する上で

シミュレーション


※IE8以前では動作が重く「スクリプトの実行を中止しますか?」と聞かれます.その場合は何度か「いいえ」を押してください. IE9にアップデートするか, Google ChromeFirefox をご利用いただくとすぐにシミュレーション結果が出ます.

シミュレーション結果

被曝内訳


年間被曝量


積算被曝量


被曝リスク(確率的影響)

がんの発症率・がんによる死亡率がどのくらい増加するか, LNT仮説(放射線はどんなに低い線量でも健康に害を与え,その影響は線量に比例するという仮定)に基づいて試算すると, 以下のようになります.

被曝リスク(確率的影響)の考え方

長時間かけて低線量の被曝をしたときの影響は,その影響が小さすぎてまだよくわかっていません.
参考:低線量放射線の発がんリスクに関連する報道について

放射線以外によるがん発症率の変化の方がずっと大きく,それに埋もれてしまうためです.
生活習慣などとのリスク比較については下記の資料が参考になります.
参考:福島県内で一定の放射線量が計測された学校等に通う児童生徒等の日常生活等に関する専門家ヒアリング 資料3

今のところ,放射線の影響については閾値無し説が有力です.
ですのでこれ以下なら影響なし,という安全ラインはありません.
しかし,リスクの大小を考えずに放射線を避けることばかりに注意してしまうと,かえって不健康になりかねません.

外での被曝が気になる場合は,屋内のプールを使うなどもできると思いますし, 野菜はなるべく福島近辺の産地は避ける,といった対策は有効だと思います.
今まで通りの生活を維持しつつ,可能な範囲で被曝量を下げるように注意するのが良いと思います.

被曝リスク(確定的影響)

確定的影響については1回に100mSv以上を浴びないと生じないため,細かい説明は記載していません.
また,皮膚や目の水晶体については,β線も含めた放射線量(70μm線量当量)を測定しないと判断ができません.
試算結果が100mSv/年相当を超える場合は,別途確定的影響についても確認されることをお勧めします.

計算に使った係数

計算に使った係数は以下の数値を使っています.

ICRPの50年・70年積算の係数と,別の資料の実効半減期を組み合わせて使用しているため, ICRPの係数が異なる実効半減期を想定して計算されている場合,計算誤差が大きくなる可能性があります.

内部被曝計算時の係数
ICRP Publ.72 に記載されている数値を利用しています.以下で購入できます.
ICRP Publication 72 (amazon.co.jp)
ICRP Publication 72 (amazon.com)
内部被曝計算には,ICRPの他に,ECRR係数もありますが,本シミュレーションではICRP係数で算出しています.
実効半減期
次の資料の係数を利用しました.
Physical, Biological, and Effective Half-lives for Selected Isotopes
I133,Cs134,Cs136,Sr89,Pu238,Pu239 については同位体において生物学的半減期が同等との仮定を行い,実効半減期を計算しました.
実効半減期は下記の数値を使用しています.
放射性物質実効半減期(日数)
I1317.6
Cs13770
緊急時における食品の放射能測定マニュアル
食品の標準摂取量は別表5を利用.
乳児・幼児・少年・青年・成人はそれぞれ~1歳・~6歳・~12歳・~17歳・17歳以上として計算しています.
地域別放射線量水準値
平常時の数値はこちらの資料から引用しました.

内部被曝の係数について

本シミュレーションではICRP係数での計算のみに対応しています.

食品による年齢別の内部被曝ベクレル(Bq)シーベルト(Sv)換算ツールでは両係数に対応していますので, 試算してみたい場合はこちらをご利用ください.