放射線測定器・ガイガーカウンターは,その感度や内部の計算ロジックの都合上,
線量率がふらついて表示されることがあります.
そこで,6機種で安定度を調べました.
PM1203M・PM1912についてはたろうまるさんから,
RD1008については
晴れなん堂
さんから,
Inspector+ についてはおたかさんから,
それぞれ測定器をお借りしました.
ありがとうございます.
品川区五反田のマンション中層階の窓際で,ノートPCの上に測定器を並べて,
それぞれの線量率を確認しました.
PM1912 はPC画面で線量率を確認するため,動画撮影の都合上,今回はノートPCの上での測定になりました.
測定時間は2時間弱です.
測定機種と,その特性をまとめると以下のようになります.
測定結果は,2時間弱での結果なので,かなり誤差が少ない結果となっています.
機種名 | 測定タイプ |
感度 (cpm/μSv/h) |
時定数・サンプリング時間 | 測定結果 |
---|---|---|---|---|
SEIntl Inspector+ | 移動平均 | 334 | 30秒 | 0.070 ± 0.004μSv/h (±5.5%) |
RADEX RD1008 | 移動平均 | 100~300? | 2分48秒 | 0.069 ± 0.003μSv/h (±4.3%) |
Polimaster PM1912 | 積算 | ? | - | 0.065 ± 0.001μSv/h (±1.5%) |
Polimaster PM1703MA | 積算 | 6000 | - | 0.052 ± 0.001μSv/h (±1.5%) |
Polimaster PM1203M | 積算 | 実測約150 | - | 0.078 ± 0.001μSv/h (±0.9%) |
堀場 PA-1000 Radi | 移動平均 | 2000 | 60秒 | 0.050 ± 0.001μSv/h (±1.5%) |
移動平均タイプというのは,一定時間ごとの数値を表示するタイプです.
一定時間は利用者が選択できたり,線量率に応じて自動選択される場合があります.
時定数タイプというのは,アナログ的な計算で直近の測定結果を重視するタイプです.
時定数の時間が経過すると約63%変化し,2倍経過で86%,3倍経過で95%まで変化します.
積算タイプというのは,線量率が変化したと検知しない限り,より長時間の測定結果を元に正確な数値を表示しようとするタイプです.
こちらは移動しないときは正確な数値が読み取れる反面,移動しながら使う場合は,表示されている線量率がどの範囲の測定結果なのかわかりにくいという欠点があります.
各機種の測定結果とグラフです.
グラフ下のリンクをクリックすれば元データを確認できます.
GM管の機種としては高感度な機種ですが,サンプリング時間が30秒と短いため,
このような低線量の測定では,かなり数値がふらついています.
±0.04μSv/hくらいの範囲でばらつきがあります.
低線量での測定時は,複数回の測定を平均するか,タイマーモードでカウント数を出してから,Sv/hへ換算する必要がありそうです.
サンプリング時間が2分48秒と長めですが,そのおかげもあって移動平均タイプの中では安定している方だと思います.
ほぼ±0.01μSv/hの範囲で,時々±0.02μSv/hの範囲まで出る感じです.
感度が不明ですが,積算タイプのため線量率の表示は安定しています.
高感度で積算タイプのため非常に安定しています.
こちらも積算タイプのため非常に安定しています.
GM管で,感度自体はPM1703MAよりかなり低いですが,表示される線量率は安定しており,
使い勝手が良さそうです.
ばらつきはありますが,ほぼ±0.01μSv/hの範囲です.
他機種と違い,この機種は小数点以下3桁まで表示しますので,
グラフ上では点がばらついていますが,0.01μSv/h単位に四捨五入した数値で考えれば,
かなり安定していると言えると思います.
2時間程度かけて測定しましたが,1回だけの測定ですので,結果はたまたまという可能性もあります.
それでも,結構機種毎の違いなどが見えたのではないかと思います.
以前の測定結果も合わせて参考にして頂ければと思います.