放射線測定器(ガイガーカウンター)の感度を測定値から推定・検証するツールです.
	測定値のヒストグラム表示もできます.
	
	放射線はランダムに出てくるため,測定器が表示する数値はばらつきがあります.
	このばらつきは,放射線をカウントした回数が多くなるほど小さくなることがわかっています.
	何回も測定値を読み取り,そのばらつきから放射線をカウントした回数を推定することで,測定器の感度を調べることが出来ます.
	詳しい使い方はツールの下にある説明文を読んで下さい.
	推定例のサンプルも複数あります.
	
	IEは動作が遅いため,Google Chrome か
	Firefox での閲覧をお勧めします.
| 平均値 | |
|---|---|
| 中央値 | |
| 入力値の数 | |
| 
			標準偏差 (測定値のばらつき)  | |
| 感度cpm/μSv/h,時定数秒での換算値 | |
| 1測定あたりの感度 | 1μSv/hの時にカウント | 
| 平均値 | |
| 
			測定データの 標準偏差  | |
| 
			感度を使った計算上の 標準偏差  | |
	γ線のみの放射線量をSv/h単位で表示できる機種で,
	サンプリング時間が判っている必要があります.
	
	サンプリング時間は設定できる機種もあれば,固定値の場合もあります.
	仕様などに「60秒の平均値を10秒毎に更新」のように記載されていれば,
	過去60秒間の平均値を表示していることになるので,サンプリング時間に60秒を入力します.
	
	サンプリング時間が判っていない機種では感度の推定は行えません.
	
	アナログ式の計算方法を採用して,時定数で数値を測る機種の場合(テクノAPの機種など)も,
	このツールでは推定が行えません.
	(目安の数値としては使えると思います)
	
	また,測定器に Sv/h単位の表示の他に,cpm表示,cps表示などがある場合,
	cpm・cps表示とSv/h表示の表示値を比べる方が,より簡単です.
	(同じ線量率で両方の表示を比べて,割り算するだけで感度を求められます.)
	測定器のサンプリング時間以上の間隔で,たくさんの測定値を集める必要があります.
	
	このとき,必ずサンプリング時間以上の間隔をあけて数値を読み取る必要があります.
	「60秒の平均値を10秒毎に更新」の測定器であれば,60秒以上間隔をあけて数値を読み取ります.
	60秒未満で読み取るのはダメですが,逆に60秒以上あいてしまうのは問題有りません.
	
	データを集めている間に,本当の線量率が変わってしまうと正しい測定は行えません.
	自然放射線量は雨などの天気によって変化することがありますので,天候の変化があまり無い時を選び,
	続けて読み取る必要があります.
	日を変えて何回かに分けて測定したりすると,正しい結果にならない可能性が高いです.
	
	測定値を記録するときは,テキストエディタや表計算ソフトを使い,こまめに保存しましょう.
	本ツールに直接入力すると,ブラウザを誤って閉じたり,ブラウザがクラッシュしたときにデータを失ってしまいます.
	別ソフトウェアで記録しておき,最後にコピー&ペーストで本ツールに貼り付けるのが良いと思います.
	データを集めたら,測定結果欄に測定値を1行1つずつで貼り付けます.
	
	更に,サンプリング時間を秒数で入力します.
	ヒストグラムの幅は通常デフォルトの0.01μSv/h単位で大丈夫です.
	(グラフの見た目にしか影響しません)
	
	ここまで設定したら,「感度を入力値から推定」ボタンを押すと,感度の推定が行われます.
	赤い棒グラフが,測定値のヒストグラムです.
	
	ヒストグラムの幅で設定した幅毎に測定値を区切り,それぞれの測定値の数を数えたものになります.
	縦軸は,測定値の数の割合を表しています.
	たとえば,測定データが100個あり,ある棒グラフの場所に10個分のデータが当てはまる場合,棒グラフの高さは0.1になります.
	
	青い折れ線グラフは,感度から計算した計算上のヒストグラムです.
	
	青い折れ線グラフの形状と,赤いヒストグラムの山の形が一致していれば,
	そのときの感度設定の数値が正しいと判断できます.
	形を比較して,青い山の方がとがっていれば,実際より高い感度を入力していることになります.
	わたしが測定したデータを元に,ツールで推定した結果です.
	結果リンクをクリックすると入力データを確認できます.
	
	複数のデータがあるものは複数記載しています.
	これらの結果を見ると,それなりの精度で感度を推定できていると言えそうです.
	
	テクノAPの機種において,スペック上より推定感度が低くなっていますが,これはテクノAPの計算ロジックが過去の移動平均ではなく,
	アナログ回路的な時定数での計算になっているためなのではないかと推測します.
	移動平均とちがい,アナログ回路的なフィルタを行う場合,直近のデータがより重視されるため,数値が少しぶれやすいのではないかと思います.
	(アナログ的な一次遅れ系では,時定数待って63%まで変化,時定数の2倍で86%,3倍で95%まで近づきます.)
	
	RadEye PRD-ER についても差が大きいですが,測定値が0.01μSv/h単位でヒストグラムの形が粗いため,
	これが大きくずれる一因になっているのだと思います.
	
	
| 測定器 | サンプリング時間 (秒)  | 
			スペック上の感度 (cpm/μSv/h)  | 
			本ツールで推定した感度 (cpm/μSv/h)  | 
			データ数 | 結果リンク | 
|---|---|---|---|---|---|
| PKC-107 | 53 | 不明 | 218.403 | 211 | 結果リンク | 
| 堀場 PA-1000 Radi | 60 | 1000~6000 | 2842.559 | 135 | 結果リンク | 
| テクノAP TA100U | 時定数60 | 800 | 171.164 | 132 | 結果リンク | 
| GAMMA-SCOUT | 不明.逆算で79秒と推定 | 90.1 | - | 136 | 結果リンク | 
| RADEX RD1008 | 168 | 不明 | 204.120 | 136 | 結果リンク | 
| SEIntl Inspector+ | 30 | 334 | 325.186 | 115 | 結果リンク | 
| RADEX RD1008 | 168 | 不明 | 211.620 | 115 | 結果リンク | 
| 堀場 PA-1000 Radi | 60 | 1000~6000 | 2915.441 | 115 | 結果リンク | 
| テクノAP TS100 | 時定数60 | 25000 | 1614.770 | 111 | 結果リンク | 
| テクノAP TA100U | 時定数60 | 800 | 200.773 | 108 | 結果リンク | 
| 堀場 PA-1000 Radi | 60 | 1000~6000 | 2481.073 | 111 | 結果リンク | 
| RADEX RD1008 | 168 | 不明 | 347.447 | 111 | 結果リンク | 
| Coliy Radiation Scanner 900+ | 60 | 80.4 | 120.990 | 90 | 結果リンク | 
| クリアパルス Mr.Gamma | 60 | 1000以上 | 2074.330 | 192 | 結果リンク | 
| RadEye PRD-ER | 16 | 9000 | 2532.799 | 50 | 結果リンク | 
| テクノAP TA100U | 時定数60 | 800 | 150.253 | 367 | 結果リンク | 
| 堀場 PA-1000 Radi | 60 | 1000~6000 | 3286.407 | 339 | 結果リンク | 
| RADEX RD1008 | 168 | 不明 | 250.867 | 125 | 結果リンク | 
| ヤマガタ共同 ガンマイレブン | 60 | 100 | 133.267 | 372 | 結果リンク | 
| 堀場 PA-1000 Radi | 60 | 1000~6000 | 2510.934 | 289 | 結果リンク | 
| ヤマガタ共同 ガンマイレブン | 60 | 100 | 160.639 | 289 | 結果リンク |