@aki_1goさんから RADEX RD1503 をお借りすることができました.ありがとうございます.
RD1503 の使用感などをまとめてみました.
RD1503 はガイガーミュラー管を使用した放射線測定器(ガイガーカウンター)です.
特徴としては,
お借りした RD1503 の大きさは次のような感じです.
他の測定器と比べても小さめの印象です.
同じ RADEX シリーズの RD1008 と比較すると次のような大きさの違いになります.
また,ショップ作成と思われる日本語マニュアルと,RD1503 の校正証明書がありました.
画面は次のような感じです.
右上にある 0.30 はアラームの閾値です.
この閾値を超えると,放射線検出時にピッという音が出るようになります.
線量は,10秒後,20秒後,30秒後,40秒後,80秒後,120秒後,160秒後に更新されます.
160秒立つと□が完成し,その後は40秒ごとに数値が更新されるようです.
ただし,測定途中で線量が大きく変わった場合は□が消えて,再測定となります.
電源投入後の様子を撮影しました.
画面の□が完成したときに線量を読み取れば良いのですが,それでも低線量では数値はばらつきます.
0.10μSv/hくらいの表示値の環境で,3時間ほどかけて160秒毎に数値を読み取った結果は次のようになりました.
この結果から考えると,0.10μSv/h程度の低線量で数値を正確に知りたい場合は,
160秒間隔で10回くらい数値を読み取り,平均を取る必要がありそうです.
また,わたしが測定した機種の中では,若干他の機種より高めの表示になるようです.
同じメーカーの RD1008 と比べても高めでした.
以下に測定器毎の差についてまとめていますので,あわせてご覧下さい.
参考:線量率の変動比較・第3回 (2011/10/10)
参考:放射線測定器・ガイガーカウンターの測定値比較
RD1503 にはアラーム機能があります.
左の画面で,その閾値を 0.30μSv/h,0.60μSv/h,1.20μSv/h から選択できます.
また,右の画面で音量を2段階で切り替えられます.
音量はUPの方が大きいのですが,それでも少し控えめの音量です.
DoseRAE2 などはかなり大きな音が出ますが,家庭用の位置づけのためか大音量ではないので,
町中などでアラームが鳴っても驚かれるほどの音量ではありません.
また,放射線を検出するたびにピッとなる動作ですので,その点でも控えめの印象です.
複数の密封線源を近づけたときの反応の様子を撮影しました.
画面の表示が変わる前に音が出始めます.
この機種はβ線への感度があります.
普通に使われるSv/hで測定するときは,β線は考慮に入れないので,
この機種で表示されるSv/hはβ線を含めてしまったときは正しくない値になります.
一方,汚染箇所などを調べるときは,近距離しか飛ばないβ線を検出できるのは有利です.
正確な線量率(Sv/h)を知ることより,汚染箇所を調べる目的を優先してこのような仕様になっているのだと思います.
(RD1008であれば,β線・γ線別々に測定できます.)
以下のように,Sr-90線源を置いて,測定器の表示を確認しました.
RD1503 では,3.16μSv/h と表示されました.
同じ方法で測定し,RD1008 はγ線 0.08μSv/h,β線 734min-1/cm2 の表示です.
また,堀場 PA-1000 Radi や PM1703MO-1B も,0.06~0.07μSv/h を表示しました.
安価な測定器としては,無難な作りだと思います.
GM管はβ線に対する感度の方が高いので,β線も検出して汚染場所を調べやすくするのは,
理にかなった設計です.
γ線のみの機種の方が,表示される線量率としては正確です.
しかし,家庭用として汚染箇所がないか心配,という場合には,正確さより問題箇所の発見に重点を置くのも良い方法で,
この機種はそういった目的にあわせて作られているようです.
セシウムのβ線は空気中を1m程度しか進みませんので,線量率をより正確に知りたい場合は,
高さ1mくらいで測定すれば,β線の影響をほぼなくすことができます.
そういった工夫である程度カバーする必要はありそうですが,コストパフォーマンスの高い実用的な機種だと思います.