Attack Tonal Balance
同じ周波数帯域に重なる短く広帯域なアタックと、持続する音程成分のバランスを調整します。打音や音の立ち上がりだけを目立たせたり抑えたりし、持続音への同じ変化を避けたいときに使います。Transient Shaperのような速い・遅い音量変化ではなく時間と周波数のパターンから両者を分け、Multiband TransientのようなLow、Mid、Highの固定帯域分割は行いません。
リスニング調整ガイド
Attack EnabledとTonal Enabledをチェックしたまま、両方のゲインを0 dBから始め、片方ずつ1~3 dB程度動かします。
Attackを上げるとドラム、弦を弾く音、音符の立ち上がりが明瞭になります。鋭いアタックや聴き疲れを和らげたいときは下げます。
Tonalを上げると持続音、和音、声の音程感が前に出ます。持続する音程成分が強すぎるときは下げます。
片方の成分をカットしてもう片方を確認・調整したいときは、対応するEnabledのチェックを外します。ゲイン設定は保持されますが、再びONにするまで対応するスライダーと数値入力は操作できません。
正の値ではピークや聴感上の音量が上がることがあります。近い音量で比較し、必要なら出力レベルを下げてください。
パラメータ
Attack Enabled(初期値: ON)
分離されたAttack成分を出力に含めます。チェックを外すと、その成分をカットします。
Attack(-12 dBから+12 dB、初期値: 0 dB、0.5 dB刻み)
近接する周波数へ短時間に広がる成分を調整します。
正の値でアタックを強調し、負の値で柔らかくします。
Tonal Enabled(初期値: ON)
分離されたTonal成分を出力に含めます。チェックを外すと、その成分をカットします。
Tonal(-12 dBから+12 dB、初期値: 0 dB、0.5 dB刻み)
時間方向に安定して続く成分を調整します。
正の値で持続する音程成分を強調し、負の値で抑えます。
遅延と分離の限界
このエフェクトでは固定の処理遅延が生じ、48 kHzでは5,120サンプル(約107 ms)です。判定するのはスペクトル上のパターンであり、楽器や音源を分離したり、音程が音楽的に正しいかを判定したりする機能ではありません。急な音程変化、持続ノイズ、密な打音、変調の強い音は明確に分かれない場合があります。AttackとTonalのどちらとも明確に判定されない成分は元の音量のまま保たれるため、両方のEnabledチェックを外しても無音にはなりません。