この説明は EffeTune (作者: Frieve-A) の公式ドキュメント (MIT License) を mImageViewer 同梱版に合わせて転載・一部修正したものです。

Phase Select EQ

mImageViewer の音響調整は左右2チャンネルで処理します。Spatial Mapper の Center Extract、5.1 Upmix、7.1.4 Upmix など、3チャンネル以上のバスを必要とする操作や構成例は使用できません。以下の説明では、ステレオで使用できる設定を選んでください。

カテゴリの説明とプラグイン一覧

Phase Select EQは、周波数、左右の絶対位相差、左右のレベルバランスで選んだステレオ成分をブーストまたはカットします。3つの範囲すべてに入る成分だけが処理されます。左右のスペクトルには同じ正のゲインを適用するため、位相差を回転、補正したり、新しい位相差を作ったりするエフェクトではありません。通常の周波数だけを基準にするEQでは、中央の音と同じ周波数にある左右へ広がった音や片側へ寄った音を分けにくい場合に使用します。

独立した5つのBandを常に使用できます。各Bandには、Gainがそのまま適用される内側の Core と、倍率が100%へ滑らかに移行する外側の Transition があります。重なったBandのGainは乗算されます。たとえば、150%と50%のCoreが重なると結果は75%です。複数のブーストを重ねると0 dBFSを超えることがあるため、十分なヘッドルームを確保し、バイパスと比較してください。

Phase Select EQが報告する処理レイテンシーは、FFTサイズとHopサイズの合計です。48 kHzでは4,096 + 1,024 = 5,120サンプル、約106.7 msです(44.1 kHzでは約116.1 ms)。チェーン全体の遅延は、アプリの Total Delay で確認できます。この遅延は、リアルタイムモニタリングや映像との同期に影響する場合があります。

選択マップの見方

Balanceのグリッドは左右の比率で表示されます。レベル差とのおおよその対応は次のとおりです。

Balance0%±17%±33%±60%±82%±100%
L/Rレベル差0 dB±3 dB±6 dB±12 dB±20 dB片側のみ

ビジュアル表示

音質調整ガイド

  1. 左右に広がった高域の刺激感を抑える

    • 4~12 kHz、90~180°付近にBandを設定します。

    • Gainは70~90%、Transitionは広めから始めます。

    • 効果: 中央寄りの細かな音をなるべく保ちながら、逆相に近い高域成分を穏やかに抑えます。

  2. 中央のボーカルに存在感を加える

    • 1~4 kHz、0~30°付近にBandを設定します。

    • Gainは110~125%から始めます。

    • 効果: 左右に広がった残響へ同じブーストをかけずに、同相に近い中域成分を強調します。

  3. 拡散した低中域の響きを整える

    • 150~600 Hz、60~150°付近にBandを設定します。

    • Gainは80~90%から始め、変化が滑らかになるまで周波数Transitionを広げます。

    • 効果: 中央寄りの基音を保ちながら、左右に広がる低中域のエネルギーを抑えます。

  4. 片側へ強く振られた楽器を抑える

    • Balance表示で、左寄りなら-100~-70%、右寄りなら+70~+100%を選び、楽器に合わせて周波数範囲を絞ります。

    • 片側だけの成分が置かれる-180°または+180°を含むように、Phase Coreを150~180°付近に設定します。Balanceだけで選びたい場合は、Phase Coreを0~180°の全域にします。

    • Gainは70~90%、Balance Transitionは中程度から始めます。

    • 効果: 同じ周波数の中央成分をなるべく保ちながら、片側へ強く寄った成分を抑えます。

  5. 中央定位の音を強調する

    • Balance Coreを-17~+17%、Phase Coreを0~30°付近に設定し、対象音に合わせて周波数範囲を絞ります。

    • Gainは105~120%から始めます。

    • 効果: 左右へ振られた音よりも、左右がほぼ同じレベルで同相に近い成分を優先して強調します。

ここで示した位相範囲は一般的な傾向であり、音源の位置を決める固定的な基準ではありません。実際の曲でドットが現れる場所を確認しながら小さく調整し、ヘッドホンとスピーカーの両方で結果を確認してください。

パラメーター

マップ上のハンドル、スライダー、数値入力は同じ値を編集します。マウスでもタッチ操作でも、選択中のBandは外枠内のドラッグでBand全体が移動し、Coreの辺または隅のドラッグでサイズが変わり、外側の辺のハンドルで各Transitionを変更できます。低位相側のハンドルは中央を越えず、Core Low Phaseは0°、Low Phase Transitionは最大幅で停止します。Core Low Phaseがちょうど0°のときは中央のハンドルを最初に左右どちらへも動かせますが、いったん片側へ動かすと、そのドラッグが終わるまで同じ側に固定されます。