Analog Meter
音声を変えずに、各チャンネルのレベルを昔ながらの指針メーターで表示します。音楽の音量の移り変わりを追ったり、VU、PPM、ピーク、ラウドネス(LUFS)といった放送や配信で使われる目盛りで、再生音がどう読まれるかを確かめたりできます。
活用ガイド
VU で平均的なレベルを追う:曲を通して指針を見てみましょう。静かなAメロと盛り上がるサビでははっきり差が出る一方、短いドラムのアタックでは指針はほとんど動きません。
True Peak でクリップを確かめる:EQ やゲイン系のエフェクトの後ろに Analog Meter を置き、曲のいちばん大きな部分を再生します。読みが 0 dBFS を超えたりオーバーランプが点灯したりする場合は、チェーンのどこかでクリップするおそれがあります。-1 dBFS 程度の余裕を持ってピークが 0 dBFS を下回るまで、ゲインを下げてください。
Loudness で曲どうしを比べる:Target を -14 LUFS など配信サービスの基準値に合わせ、曲やアルバムの頭で Reset を押して最後まで再生します。Integrated の値で全体の音量感が、最大 True Peak で最も高いピークが分かるので、アルバムやプレイリストの音量をそろえる目安になります。LRA を見れば、曲ごとの音量の幅も比べられます。
システムプリセット
エフェクト見出しのエフェクトプリセットで、よく知られた規格どおりの設定にまとめて切り替えられます。Mode が変わるプリセットを選ぶと測定は最初からやり直しになりますが、Loudness のプリセット同士の切り替えでは測定が続きます。
Studio VU (-18 dBFS) - 0 VU を -18 dBFS に置く VU。スタジオで一般的な基準(EBU R68)で、ヘッドルームを広くとった録音に向きます。
SMPTE VU (-20 dBFS) - 0 VU を -20 dBFS に置く VU(SMPTE RP 155)。北米のスタジオや放送で使われる基準です。
Hot VU (-14 dBFS) - 初期設定と同じです。0 VU を -14 dBFS に置く VU で、市販の完成した音源の多くに合います。
Loud Master VU (-8 dBFS) - 0 VU を -8 dBFS に置く VU。音圧を目いっぱい上げた近年の CD やポップスのマスターで、指針が上端に張り付かないようにします。
DIN PPM - DIN のメーター(Attack 5 ms、1.5 秒で 20 dB 戻る、DIN 目盛り)。-9 の印を -18 dBFS に置くので、0 の印は -9 dBFS です。目盛りは -50 まで表示します。
BBC PPM - BBC のメーター(Attack 10 ms、2.8 秒で 24 dB 戻る、BBC 目盛り)。4 の目盛りを -18 dBFS に置くので、6 の目盛りは -10 dBFS です。
Nagra Modulometer - Nagra のテープレコーダーのモジュロメーター(Attack 7.5 ms、-30~+5 dB の dB 目盛り)。0 dB を -18 dBFS に置きます。Release は DIN と同じ 1.5 秒です。
K-20 - Bob Katz の K-System による RMS メーター。0 を -20 dBFS に置き、目盛りは -60 dBFS まであります。ダイナミックレンジの広い録音向けです。
K-14 - 同じく 0 を -14 dBFS に置き、目盛りは -60 dBFS までです。一般的なポップス向けです。
K-12 - 同じく 0 を -12 dBFS に置き、目盛りは -60 dBFS までです。放送向けに音圧を詰めた音源向けです。
Digital Peak - 標準的なデジタルピークメーター(IEC 60268-18)。-60~0 dBFS を表示し、ピークの印を 2 秒残します。
True Peak Clip Watch - True Peak で上端の 20 dB を拡大し、ピークの印を最長の 10 秒残します。EQ やゲインを変えたあと、0 dBFS を超えるピークを見逃さないための設定です。
EBU R128 (-23 LUFS) - 欧州の放送基準を目標値にした Loudness。目盛りは EBU +9 です。
EBU R128 +18 Scale - 同じ目標値で、幅の広い EBU +18 目盛りを使います。クラシックなど音量の幅が広い音源向けです。
TV (-24 LKFS) - 米国(ATSC A/85)と日本(ARIB TR-B32)のテレビで使われる -24 LKFS を目標値にした Loudness。
Streaming (-14 LUFS) - 多くの音楽配信サービスの音量正規化に近い -14 LUFS を目標値にした Loudness。指針は落ち着いて動く Short-term です。
Streaming (-16 LUFS) - 配信やポッドキャスト向けに推奨される -16 LUFS(AES TD1008)を目標値にした Loudness。指針は Short-term です。
パラメーター
選んだ Mode で使う項目だけが表示されます。
Mode - メーターの種類を VU(初期値)、PPM、RMS、Sample Peak、True Peak、Loudness から選びます。モードごとに指針の動きと目盛りが異なります(表示の見方を参照)。モードを切り替えると測定は最初からやり直しになります。
Integration(RMS、0.05~3 s、初期値 0.3 s)- 平均をとる時間を設定します。長くすると指針が落ち着いてゆっくり動き、短くすると変化に素早く追従します。
Attack(PPM、1~20 ms、初期値 5 ms)- PPM の指針が立ち上がる速さを、定常音より 2 dB 低く読まれるトーンバーストの長さで設定します。短くすると短いピークも本来のレベルに近く示し、長くすると短いピークほど低めに読まれます。5 ms が DIN のメーターに相当します。
Release(PPM、Sample Peak、True Peak、0.1~5 s、初期値 1.5 s)- ピークの後に指針が 20 dB 戻るまでの時間を設定します。長くするとピークを読み取りやすくなり、短くすると音楽の動きに細かく追従します。1.5 s は DIN のメーターや標準的なデジタルピークメーターと同じ値です。
Reference(VU、PPM、RMS、-30~0 dBFS、初期値 -14 dBFS)- メーターの基準の印に対応するデジタルレベルを設定します。初期値は市販の完成した音源の多くに合う値です。スタジオで使われる -18 dBFS や -20 dBFS の基準(システムプリセットを参照)では、ふつうの CD でも指針が目盛りの上端付近にとどまりがちです。音圧の高い音源で指針が振り切れるときは上げ、静かな音源で指針がほとんど動かないときは下げます。
Range(PPM の DIN・dB 目盛り、RMS、Sample Peak、True Peak、20~60 dB、初期値 40 dB)- 目盛りの下端までの幅を設定します。広げると静かな部分まで読め、狭めると目盛りの上のほうが細かく読めます。
PPM Scale(PPM、初期値 DIN)- PPM の目盛りを DIN、BBC、dB から選びます(表示の見方を参照)。
Peak Hold(PPM、RMS、Sample Peak、True Peak、0~10 s、初期値 1 s)- 直近の最大値を示すピークの印を残す時間と、オーバーランプを点灯させておく時間を設定します。0 にすると印を表示せず、オーバーランプは 1 秒間点灯します。
Needle(Loudness、初期値 Momentary)- 指針が示す値を選びます。Momentary は直近 0.4 秒のラウドネスに追従し、Short-term は直近 3 秒の値を示して落ち着いて動きます。
Target(Loudness、-36~-10 LUFS、初期値 -23 LUFS)- 目盛りに印を付けるラウドネスを設定し、目盛りをその値を基準に配置します。-23 LUFS は EBU R128 の放送基準で、配信サービスでは -14 LUFS 前後が多く使われています。
Scale(Loudness、初期値 EBU +9)- ラウドネス目盛りの幅を選びます。EBU +9 は Target の 18 LU 下から 9 LU 上まで、EBU +18 は 36 LU 下から 18 LU 上までを表示します。ダイナミックレンジの広い音楽やとても音圧の高い音源には EBU +18 が向いています。
表示の見方
チャンネルごとに 1 つのメーターを表示します。1 行に最大 4 つ並び、最大 16 チャンネルまで対応します。
レベルは、フルスケールのサイン波を 0 dBFS とするデジタルの一般的な慣例に従います。そのため、一定のサイン波は Loudness 以外のどのモードでも同じ値を示します。
指針の動く速さはモードごとに異なります。
| モード | 指針の動き | 目盛り |
|---|---|---|
| VU | ゆっくり動きます。新しいレベルに約 0.3 秒で達し、平均的なレベルを示します(IEC 60268-17)。 | -20~+3 VU。0 VU = Reference。 |
| PPM | IEC 60268-10 に基づく近似です。Attack で決まる速さで素早く立ち上がります。初期値の 5 ms では、DIN のメーターと同じく 10 ms のトーンバーストが定常音より約 1 dB 低く読めます。Release の時間で 20 dB 戻ります。 | PPM Scale で選びます。DIN:-9 の印 = Reference で、0 はその 9 dB 上です。BBC:1~7 の目盛りで、2~7 は 4 dB 間隔、1~2 は 6 dB 間隔、4 の目盛り = Reference です。dB:0 の印 = Reference で、Range の分だけ下から +5 dB までを表示します。 |
| RMS | Integration の時間で平均したパワーを示します。余分な平滑化はかけません。 | 0 の印 = Reference。 |
| Sample Peak | サンプル値の最大値へすぐに振れます。 | 目盛りの上端 = 0 dBFS。 |
| True Peak | Sample Peak と同様ですが、サンプルとサンプルの間のピークも推定します。0 dBFS を超えて読むことがあり、そのようなピークは DAC や変換の過程でクリップすることがあります。 | 目盛りの上端 = 0 dBFS。 |
| Loudness | ITU-R BS.1770 と EBU R128 で定められたラウドネスを LUFS で示します。 | Target と Scale で決まり、値は LUFS で表示します。 |
ピークの印は直近の最大値を Peak Hold の時間だけ示します。オーバーランプはレベルが 0 dBFS を超えると点灯し、Peak Hold の時間(Peak Hold が 0 のときは 1 秒間)点灯し続けます。
Loudness モードでは、先頭のメーターがプログラム全体を示します。指針は Needle の設定に従い、Momentary(M)、Short-term(S)、Integrated(I)、Loudness Range(LRA)、最大 True Peak の値、測定の経過時間と Reset ボタンを表示します。Integrated と LRA は、十分な長さの音声を測定すると表示されます。
モノラル、ステレオ、5.1(チャンネル順は L、R、C、LFE、Ls、Rs)では、規格どおりのチャンネル重みで測定します。それ以外のチャンネル数では全チャンネルを同じ重みで合算するため、値は参考値です。
2 つ目以降のメーターは各チャンネル単独の値を示します。チャンネル重みもゲートもかけない参考値です。
Integrated、LRA、最大 True Peak は、Reset を押す、Mode を切り替える、サンプルレートやチャンネル数が変わる、音声処理が再起動する、のいずれかが起きるまで蓄積されます。
処理が止まっている間は測定に含まれません。Master Bypass がオンのときや Analog Meter がオフのときがこれに当たります。再開すると、止まる前の値から測定を続けます。