Cassette Artifacts
Cassette Artifactsは、カセットらしい周波数特性、テープ圧縮、ヒス、ワウ・フラッター、ドロップアウト、ヘッド調整のずれを組み合わせます。元の音にノイズだけを重ねるのではなく、カセットデッキを通した音全体が欲しいときに使います。
他のLo-Fiエフェクトとの違い
Tape Artifactsは、速度を選べる、より広帯域でクリーンなオープンリールの音です。Cassette Artifactsにはカセット固有のDeck Grade、Tape Type、ノイズリダクション、ドロップアウト、ヘッド調整があります。
Wow Flutter (Modulation) はテープ走行系の速度変動だけを再現します。テープの飽和、Typeやバイアスの振る舞い、ノイズリダクション、ヒスを伴わずに揺れだけが欲しいときはこちらを選んでください。
SaturationやHard Clippingは非線形性だけを加えるもので、テープ機の周波数依存の振る舞いや走行系はありません。
Vinyl Artifacts、Noise Blender、Hum Generatorは、元の音の周波数特性やダイナミクスを変えずにノイズを重ねます。
サウンドキャラクターガイド
Deck Gradeは、広帯域で安定したReferenceから、暗く不安定なPortableまでデッキの状態を選びます。
Record Levelを上げると圧縮と飽和が強まり、下げるとダイナミクスが自然になります。最後にOutputで音量をそろえてください。
Tape Typeはノイズとヘッドルームを変えます。Type Iはノイズが多く、Type IIはバランス型、Type IVは明るいピークを保ちやすい設定です。
Noise Reductionはヒスを減らします。Dolby CはDolby Bより強く、Offはカセットの背景ノイズをそのまま残します。
Wow/Flutter、Hiss、Dropoutsを上げるほど消耗した音になります。Azimuthは高域を暗くし、左右の時間差も変えます。
システムプリセット
エフェクトヘッダーのエフェクトプリセットをクリックすると、デッキの性格をまとめて切り替えられます。
Flagship Deck Metal - メタルテープとDolby Cを使う、静かで安定した高級デッキです。
Hi-Fi Chrome - ヒスとピッチ変動を抑えた、きれいなType IIカセットです。
Pocket Cassette Player - ノイズ、揺れ、ヘッドずれを含むポータブルプレーヤーの音です。
Worn Mixtape - ドロップアウト、揺れ、粗い飽和を伴う使い込まれたテープです。
Hot Deck Saturation - テープ圧縮を強く聴かせる、意図的に強く録音した音です。
パラメータ
コンパクトカセットの速度は固定されているため、Speedの設定はありません。
Deck Grade (Reference / Hi-Fi / Consumer / Portable) - デッキの音を選びます。Referenceは最も広帯域で安定し、Portableは最も暗く不安定です。一般的な家庭用デッキならConsumerから始めます。
Tape Type (Type I / Type II / Type IV) - テープのノイズとヘッドルームを変えます。Type Iはノイズが多く、Type IIはバランス型、Type IVは明るいピークを保ちやすい設定です。
Noise Reduction (Off / Dolby B / Dolby C) - ヒスを減らします。Dolby Bは中程度、Dolby Cはより強く、Offはカセットの背景ノイズをそのまま残します。録音時と再生時のずれた音はDolby Level Errorで加えます。
Bias (-6.0〜+6.0 dB) - 高域と歪みを調整します。0 dBから始め、正側へ少し動かすとクリーンで暗く、負側へ少し動かすと明るく粗くなります。負側の極端な設定では、歪みだけが増えて明るさは増えません。
Record Level (-12.0〜+18.0 dB) - テープをどれだけ強く駆動するかを調整します。+9 dBから始め、上げると圧縮と飽和が濃くなり、下げるとダイナミクスが自然になります。最後にOutputで音量を合わせます。
Wow/Flutter (0〜1%) - ピッチの不安定さを調整します。0%は安定、既定の0.200%では持続音にカセットらしい揺れが加わり、さらに上げると消耗したデッキのような強いワブルになります。
Hiss (-92.0〜-42.0 dB re 250 nWb/m) - テープヒスと信号に連動する変調ノイズを調整します。上げるほどノイズが目立ち、最小値でノイズ層がオフになります。現在の設定での背景レベルはステータス行で確認できます。
Dropouts (0〜20 events/min) - 短い信号低下の発生頻度です。0で無効、2 events/minでときどき現れる摩耗、それ以上では劣化が目立ちます。
Azimuth (-6.0〜+6.0 arcmin) - ヘッドのずれを再現します。0から離すほど高域が柔らかくなり、左右の時間差も変わります。符号で先行するチャンネルが変わります。
Dolby Level Error (-3.0〜+3.0 dB) - Noise Reduction使用時の録音デッキと再生デッキのずれを再現します。正側は明るくヒスが多く、負側は暗くなります。0 dBから始めます。
Output (-24.0〜+24.0 dB) - チェーン全体の後で音量を調整します。バイパスと比較するときの音量合わせや、Record Levelを高く設定して落ちた音量を戻すために使います。
Mix (0〜100%) - カセット音と原音を混ぜます。まず100%で効果を確認し、控えめにしたい場合は下げます。中間値では二つの経路が部分的に打ち消し合い、最高域が柔らかくなることがあります。
ステータス行の読み方
コントロール下の行には、現在の設定でのワウ・フラッターと背景ノイズの目安が表示されます。Tape Type、Noise Reduction、Record Level、Hissの調整前後を比較するために使います。offはテープノイズが無効、measuring…は表示値を更新中という意味です。
推奨設定
一般的なカセットデッキ (既定値)
Deck Grade: Consumer、Tape Type: Type I、Noise Reduction: Dolby B、Bias: 0.0 dB、Record Level: +9.0 dB
Wow/Flutter: 0.200%、Hiss: -60.5 dB re 250 nWb/m、Dropouts: 2.0 events/min、Azimuth: +2.0 arcmin、Dolby Level Error: 0.0 dB、Output: 0.0 dB、Mix: 100%
高域が柔らかく、圧縮、軽いピッチ揺れ、ときどきのドロップアウトを伴う、身近な家庭用カセットの音です。
リファレンス機・メタルテープとDolby C
Deck Grade: Reference、Tape Type: Type IV、Noise Reduction: Dolby C、Bias: 0.0 dB、Record Level: +9.0 dB
Wow/Flutter: 0.040%、Hiss: -60.5 dB re 250 nWb/m、Dropouts: 0.0 events/min、Azimuth: 0.0 arcmin、Dolby Level Error: 0.0 dB、Output: 0.0 dB、Mix: 100%
最もクリーンなカセット設定です。広帯域で安定し、ノイズと摩耗を抑えながら明るいピークを保ちます。
ノイズリダクションなしのフェリックテープ
Deck Grade: Consumer、Tape Type: Type I、Noise Reduction: Off、Bias: 0.0 dB、Record Level: +9.0 dB
Wow/Flutter: 0.200%、Hiss: -60.5 dB re 250 nWb/m、Dropouts: 2.0 events/min、Azimuth: +2.0 arcmin、Dolby Level Error: 0.0 dB、Output: 0.0 dB、Mix: 100%
ノイズリダクションを使わない素のフェリックテープで、静かな部分にヒスがはっきり聞こえます。
少しオーバーバイアス気味の家庭用デッキ
Deck Grade: Consumer、Tape Type: Type I、Noise Reduction: Dolby B、Bias: +2.0 dB、Record Level: +12.0 dB
Wow/Flutter: 0.300%、Hiss: -58.0 dB re 250 nWb/m、Dropouts: 4.0 events/min、Azimuth: +3.0 arcmin、Dolby Level Error: -1.0 dB、Output: +0.5 dB、Mix: 100%
暗く圧縮された家庭用デッキの音に、揺れ、ヒス、調整ずれ、ときどきのドロップアウトを加えます。
ポータブル機と消耗したテープ
Deck Grade: Portable、Tape Type: Type I、Noise Reduction: Off、Bias: -2.0 dB、Record Level: +12.0 dB
Wow/Flutter: 0.480%、Hiss: -54.0 dB re 250 nWb/m、Dropouts: 8.0 events/min、Azimuth: +4.0 arcmin、Dolby Level Error: 0.0 dB、Output: +1.0 dB、Mix: 100%
狭い帯域、強い揺れ、ノイズ、歪み、頻繁なドロップアウトを伴う、意図的に劣化させたポータブルプレーヤーの音です。