GSM-FR Simulator
音声出力が1チャンネルの場合、GSM-FR Simulatorはそのチャンネルを直接処理します。2チャンネル以上の場合は、選択したステレオペアをモノラルにまとめます。そのモノラル信号を8 kHzへリサンプリングし、標準化された13 kbit/s GSM-FR RPE-LTPエンコーダーとデコーダーに通します。復号した結果は、1チャンネル出力ではそのチャンネルへ、2チャンネル以上では選択したペアの両チャンネルへ戻されます。初期のデジタル携帯電話向け音声符号化が声、打楽器、持続音、密度の高い音楽をどう変えるか確認できます。C/Iは既定値では完全にクリーンで、下げると電波状態の悪いGSM受信を再現します。
20 msの各フレームは、量子化された線形予測、長期予測、規則パルス励振のパラメーターで表されます。Transcodesは、独立した状態を持つ完全なエンコード/デコード処理を繰り返し、一般的な「品質」調整ではなくタンデム符号化を再現します。選択したステレオペアより後ろの追加チャンネルは変化しません。
プラグインに利用不可と表示された場合は、別のサンプルレートまたはチャンネルモードを試してください。利用できるまでは入力音を変更しません。
サウンドエンハンスメントガイド
初期の携帯電話音声を代表する設定: Transcodesを1、Outputを0 dB、Mixを100%に設定し、声、シンバル、打楽器をバイパス時と比較します。
タンデム符号化を確認: 同じ箇所を使い、Transcodesを1、2、3の順に変えます。信号を実際に繰り返し符号化・復号するため、揺れ、さえずるような成分、明瞭さの低下が増えます。無線受信エラーは別の要素で、C/I 30 dBではエラーなし、下げると再現されます。
音楽で音声モデルの特徴を確認: 明るい音や密度の高い音楽にTranscodes 3を使うと、8 kHz音声帯域、RPE-LTP特有の周期的な響き、フォルマントの変形を確認しやすくなります。
処理音をブレンド: Mixを下げると、元のステレオ信号が戻ります。原音側の経路はコーデック遅延に合わせてあります。
比較前にレベルを合わせる: 知覚上または測定上の音量差はOutputだけで補正します。コーデックのアルゴリズムは変わりません。
パラメータ
Transcodes — 完全なGSM-FRエンコード/デコード処理を1、2、3回から選びます。各処理は独立した状態を持ち、同じ13 kbit/sコーデックを使います。回数を増やすほどタンデム符号化のアーティファクトが強くなります。
Output — 復号後の出力レベルを-24.0~+12.0 dBで調整します。レベル合わせ用の設定であり、コーデック状態やビットレートは変えません。
Mix — 遅延を揃えた原音と復号結果を0~100%で混ぜます。100%では、選択したステレオペアの両チャンネルから同じ復号モノラル信号が出ます。値を下げると元のステレオ差が戻ります。
C/I — 無線区間の搬送波対干渉比を4~30 dBで設定します(既定30)。30 dBでは受信は実質完全でクリーンなままです。値を下げるほどフレーム消失(GSM 06.11流の隠蔽: 直前フレームの繰り返しと減衰、連続消失でミュート)とClass 2ビット誤りによる歪みが増え、圏外際の携帯電話特有のガラガラした途切れ方になります。Transcodesが2以上の場合、劣化は最終ホップにのみ適用されます。