画像補正

フルスクリーン表示中に、画像の明るさ・コントラスト・彩度などをリアルタイムで調整できます。 スキャン画像の読みやすさ向上や、漫画のクリーンアップに便利です。 左パネルは画面左端・上端・右端にマウスを寄せると表示され、「画像補正」タブで補正を操作できます。

ℹ️
このページでは、画像全体へ最終表示段でかかる「画像補正」を説明します。 マスクで範囲を指定する局所的な編集は、別ページの 補正レイヤーを参照してください。

3 つのスコープ

補正パラメータは「標準設定」「お気に入り単位の標準」「個別設定」の 3 スコープで管理されます。 表示時は 個別設定 → お気に入りの標準 → 標準設定 の順に解決され、最初に見つかったパラメータが使われます。

お気に入りを入れ子に登録している場合(例:G:\picsG:\pics\AI の両方を登録)は、 より深いお気に入り(この例では G:\pics\AI)の標準が優先されます。 ZIP / PDF を開いている場合も、ZIP / PDF ファイル本体がお気に入り配下にあればその標準が適用されます。

お気に入り自体を削除した場合、そのお気に入り標準の設定は失われ、 次回そのフォルダを開いたときは「個別設定 → アプリ全体の標準」の 2 段フォールバックに戻ります。 お気に入りを再登録しても新しい UUID が割り振られるため、以前の標準は復活しません。

画像を切り替えたとき、そのページに個別補正があれば右上に「ページ補正適用」のトーストが一瞬表示されます(個別設定がない場合は何も出ません)。 パネル上部には「標準設定を適用中」「お気に入り「xxx」の標準を適用中」「個別設定を適用中」のいずれかが表示されます。 サムネイル一覧では個別設定のあるページの左上に青い「補」バッジが表示されます。

補正パネルの操作

画面左端・上端・右端にマウスを寄せると補正パネルが表示されます。スライダーを動かすとその瞬間に現在のページの個別補正として保存されます。

パネル上部には 6 つのアクションボタンがあります:

U キーで AI アップスケールモデルのサイクル切替、N キーで AI ノイズ除去の ON/OFF も行えます。 現在効いているスコープ(個別 → お気に入り標準 → 標準)がそのまま書き換えられ、 トーストに「個別」「お気に入り」「標準」のどこに書き込まれたかが表示されます。

見開き表示中の補正

見開きで 2 ページを並べて表示しているときは、補正パネル上部に「左ページ」「右ページ」の 切替ボタンと、片側の補正値をもう片側に転写するコピーボタンが表示されます。 左ページと右ページは別々のページとして扱われるので、それぞれに違う明るさ・色補正・ ポストフィルタを設定できます。

コピーは Ctrl+Z で取り消せます。コピーした結果が標準設定(お気に入り標準・アプリ標準)と同じになる場合は、 個別設定として保存せずに自動でフォールバックに任せるので、無駄な個別レコードは増えません。

保存スロット

補正パネルから 10 個の名前付きスロットに補正パラメータを保存できます。 気に入った補正設定を保存しておき、別フォルダでも呼び出して使えます。

補正パラメータ

補正パネルのスライダーで以下のパラメータを調整できます:

パラメータ範囲説明
明るさ-100〜+100全体の明るさを調整
コントラスト-100〜+100明暗の差を強調・抑制
ガンマ0.2〜5.0中間調の明るさを非線形に調整(対数スライダー)
彩度-100〜+100色の鮮やかさを調整
色温度-100〜+100暖色(赤み)↔ 寒色(青み)を調整
黒点 / 白点0〜255レベル補正の入力範囲
中間点0.1〜10.0レベル補正のガンマ(対数スライダー)

補正モード

補正パネル上部のラジオボタンで、補正モードを切り替えられます:

自動補正 / モノクロ漫画補正を選択中は、スライダーは無効化されます。

AI ノイズ除去

補正パネルの「AI ノイズ除去」チェックボックスで、JPEG 圧縮ノイズ(ブロックノイズ・モスキートノイズ)を AI で除去できます。標準設定・個別設定のいずれでも ON/OFF を切り替えられ、アップスケールと組み合わせて使用できます (ノイズ除去が先に実行され、その結果に対してアップスケールが適用されます)。

ノイズ除去は「環境設定 → 全体設定 → AI 機能」が「高画質」のときだけ実行されます。 「なし」または「軽量」では保存済みのチェック状態は保持されますが、実際の処理は行われません。

画像サイズが環境設定で指定した閾値以上の場合、その画像では実行されませんが、 設定自体は編集できます(後から別の画像や標準設定として利用するため)。

AI アップスケール

補正パネル下部で、AI アップスケールのモデルを選択できます(標準設定・個別設定のどちらでも設定可能)。 補正とアップスケールは同時に動作し、補正済みの画像に対してアップスケールが適用されます。

「自動 (画像タイプ判別)」は画像の内容から最適なモデルを自動で選びます。 特定のモデル(写真 (質感保持)高速汎用 など)を使いたい場合は、手動で選択してください。

「環境設定 → 全体設定 → AI 機能」が「軽量」の場合は、使用できるモデルが 高速汎用漫画 (トーン保持) に制限されます。自動判別では漫画を 漫画 (トーン保持)、それ以外を 高速汎用 に割り当てます。 「高画質」ではすべてのモデルを選べます。保存済みの重いモデル設定は軽量モード中も削除されず、 高画質へ戻すと再び有効になります。

画像サイズが環境設定で指定した閾値以上の場合、その画像では実行されませんが、 モデルの選択自体は可能です。

シャープ化

補正パネルの「シャープ化」スライダー(0〜100、0 = OFF)で、表示画像の輪郭を強調できます。 輪郭の強い部分を中心に効かせるスマートシャープ方式のため、平坦な部分のノイズや紙目、 明暗境界のフチ浮き(ハロー)を強調しにくいのが特徴です。目安は 25 で弱め、50 で標準、75 で強め、100 が最大です。

AI モデルによる復元処理ではなく計算式によるシャープ化なので、どの環境でも同じ結果になります。 他の補正と同じく標準設定・お気に入り標準・ページ個別のどのスコープでも設定できます。

処理の適用順序

複数の補正・効果を同時に有効にした場合、画像は以下の順序で処理されて表示されます。 消しゴム、補正レイヤー、隠蔽加工は元画像に近い解像度で先に合成され、その後に画像補正、AI、ポストフィルタが最終表示として乗ります。 テキスト注釈(吹き出しなど)はいちばん上(最前面)に重なり、ポストフィルタの影響を受けずに描画されます。

  1. 元画像(読み込んだそのままの画像)
  2. 消しゴム補完(マスク領域を MI-GAN で消去・補完。E キーで起動)
  3. 補正レイヤー(マスク付きの局所補正。専用ページを参照)
  4. 隠蔽加工(モザイク等)(マスク領域にモザイク / 白塗り / 黒塗り / ぼかし。 Ctrl+M で起動)
  5. 画像補正(明るさ・コントラスト・彩度・色温度・レベル補正などのスライダー操作)
  6. AI ノイズ除去 / AI アップスケール(設定に応じて最終画像へ適用)
  7. シャープ化(輪郭中心のスマートシャープ。AI 適用後の画像に掛かる)
  8. ポストフィルタ(CRT / 減色 / モノクロ / 複合エフェクト)
  9. テキスト注釈(吹き出し・メッセージウィンドウ・装飾テキスト・スタンプを最前面に重ねる。Ctrl+T で起動。専用ページを参照)
  10. 切り取り(最終段。補正パネルヘッダーの切り取りアイコンから範囲を指定すると、表示では範囲外が暗く表示され、コピー / 書き出し時に実際に切り取られます。自動クロップで四辺の単色余白を検出して範囲を設定できます)

消しゴム補完、補正レイヤー、隠蔽加工、テキスト注釈は元画像を書き換えません。確定後も編集・削除でき、 加工済み画像として保存したい場合は Ctrl+E、または補正パネルのヘッダー右側にある 処理順アイコン列のエクスポートアイコンでエクスポートします。

左パネルの「表示トリム」タブは、読むための表示専用の余白カットです。 ここでいう「切り取り」とは別機能で、出力画像やエクスポート結果には反映されません。

ポストフィルタ (レトロ系表示エフェクト)

補正パネル下部の「ポストフィルタ」ドロップダウンから、レトロゲーム風の表示エフェクトを選べます。 ドット絵や PC-98 / ファミコン時代の画像に雰囲気を加えたいときに便利です (写真や一般的なイラストに適用すると劣化して見えるので通常は「標準」のままで OK)。

グループプリセット効果
基本標準(補間あり)フィルタなし。拡大時は補間でなめらかに表示される(デフォルト)
ニアレスト(補間なし)拡大時の補間を切ってドット感を維持。ピクセルアート向け
CRT ブラウン管CRT シンプルスキャンライン + RGB シャドウマスクでブラウン管風
CRT フル(歪み+bloom)シンプル + 樽型歪み + 明部のにじみ
CRT アーケード太めのスキャンライン + 高輝度。ゲームセンター筐体風
減色・ディザ
(色数昇順)
1bit ディザ白黒 2 階調 (Bayer ディザ)
GameBoy(緑4階調)4 色の緑階調に減色。初代 GameBoy (DMG) 風
PC-98(16色・適応)各画像から最適な 16 色を median cut で選出。実機のアナログモードと同じ挙動
ゲームギア(32色・12bit)12bit 色空間 (4bit/ch) から 32 色を適応選択。リッチな携帯機
ファミコン(52色・固定)NES ハードウェアパレット (約 52 色) + ディザ。肌色がなく色が大きく変わるのが特徴
メガドライブ(61色・9bit)9bit 色空間 (3bit/ch) から 61 色を適応選択。各チャンネル 8 段階の階段状階調が特徴
MSX2+(256色・GRB)SCREEN 8 の 256 色固定パレット (GRB 3:3:2)。青が粗いのが特徴
スーパーファミコン(256色・15bit)15bit 色空間 (5bit/ch) から 256 色を適応選択。高精細、微かな階調バンディング
複合プリセット
(非液晶 × CRT)
ブラウン管のファミコンファミコン減色 + CRT シンプル
ブラウン管の PC-98PC-98 適応 16 色 + CRT シンプル
ブラウン管の MSX2+MSX2+ 256 色 + CRT シンプル
ブラウン管のメガドライブメガドライブ 61 色 + CRT シンプル
ブラウン管のスーパーファミコンSFC 256 色 + CRT シンプル
カラーグレーディング
(写真向け)
セピア古写真風の暖色モノクロ
モノクロ(ニュートラル)ITU-R BT.601 輝度そのまま
モノクロ(冷調)青みの影、冷たい雰囲気
モノクロ(暖調)茶みのあるセピアより薄めの仕上げ
暖色調 / 寒色調全体を +R / +B に寄せたシンプルな温度補正
Teal & Orange(シネマ調)影を青緑、ハイライトを橙に振る映画風グレード
Kodak Portra 風落ち着いた彩度・柔らかい肌色・暗部 lift のフィルム調
Fuji Velvia 風高彩度・緑と青を強調・コントラスト強めの風景向け
ブリーチバイパス低彩度 × 高コントラストのシネマ・銀残し調
クロスプロセス影=青緑 / ハイライト=黄、高彩度の大胆な偏色
ビンテージ / 褪色低コントラスト + 紫シャドウ + 黄色ハイライトの褪色感
アナログフィルムフィルムグレイン粒状ノイズ。暗部ほど強く出る特性
ビネット(周辺減光)中心から距離^2 で周辺を自然に暗化
ライトリーク古いフィルムカメラ風の光漏れ (左上から暖色 screen ブレンド)
ソフトフォーカス明部が滲むポートレート向け光学風ボケ
絵画・描画風ハーフトーン(漫画風)6×6 セルのドットパターンで濃淡を表現 (2 階調)
オイルペイント風Kuwahara フィルタで塗り重ね調の質感
スケッチ風Sobel エッジ検出で鉛筆スケッチ調
漫画 疑似カラー疑似カラー(4色刷り)モノクロのマンガやスキャン画像を擬似的に着色。暗い部分を青、明るい部分を橙系に振る限定色印刷のような仕上げ
疑似カラー(肌色)モノクロ画像を擬似的に着色。中間〜明るい部分を肌色寄りの暖色にする穏やかな仕上げ
実用シャープ化アンシャープマスクで輪郭を強調

ポストフィルタはページ個別設定として保存されるので、ページごとに異なるフィルタを適用できます。 保存スロットにもフィルタ設定が含まれるので、気に入った組み合わせをスロットに入れて使い回せます。

CRT 系ポストフィルタは走査線・シャドウマスクを描画するために画像を拡大することがあります。 その状態でキャプチャ保存すると、保存画像の解像度が元画像と異なる場合があります。

T キーでポストフィルタのプリセットを**次へ**、Shift+T で**前へ**切替できます。 Alt+T で即座に「標準(フィルタなし)」へリセット。 切替時は右上にプリセット名のトーストが表示されます (例: [T: 標準 / CRT シンプル(控えめ)])。 全 40 プリセットを順番に試して雰囲気を比較したいときに便利です。

💡
消しゴム / 分析モード中は自動的にフィルタ前の表示に戻ります。 消しゴムでは境界が見えやすく、分析モードではヒストグラムと表示が一致します。 モードを抜けると自動的に元のフィルタ表示に戻ります。
💡
スライダーの右側の「↩」ボタンでそのパラメータをデフォルト値に戻せます。