補正レイヤー

マスク付きの非破壊レイヤーを画像ごとに重ね、背景だけぼかす、人物だけ明るくする、周辺だけ暗くする、といった局所的な仕上げを行います。

ℹ️
元の画像ファイルは変更しません。 補正レイヤーは画像ごとの編集情報として保存され、表示時や書き出し時に合成されます。 加工済みファイルが必要な場合は エクスポートで別ファイルとして保存します。

画像補正との違い

画像補正は、明るさ・色・AI アップスケール・ポストフィルタなどを最終表示にまとめてかける全体向けの機能です。 補正レイヤーはその前段で、消しゴム補完の後、隠蔽加工の前に、マスクで指定した範囲へ効果を重ねます。

機能向いている用途サムネイル
画像補正ページ全体の明るさ、彩度、色温度、AI 拡大、ポストフィルタ個別補正があるページに「補」バッジ。色補正サムネイルにも反映
補正レイヤー背景だけ、人物だけ、空だけ、周辺だけなど、範囲を決めた仕上げ設定があるページに「レ」バッジ。編集プレビューキャッシュが有効なら、編集を閉じた後の結果も反映

処理の詳しい順序は 画像補正の「処理の適用順序」も参照してください。

開き方

  1. 画像をフルスクリーンで開き、Ctrl+G を押します。設定メニューの「操作カスタマイズ…」から開始キーを変更することもできます
  2. または、「通常ホバー」では画面左端にマウスを寄せ、「クリック表示」では左端に現れる呼び出しバーをクリックして、画像補正パネルを表示します。呼び出し方は上部バーの ボタン、I または Tab で切り替えられます
  3. ヘッダー右側の処理順アイコン列から、消しゴムと隠蔽加工の間にある補正レイヤーアイコンをクリックします
  4. 右上の ×、または Esc で補正レイヤーパネルを閉じます

補正レイヤーパネルを開いている間は、通常のフルスクリーン操作よりもマスク編集用の操作が優先されます。 モード中は既定の ? で、現在使えるショートカット一覧を確認できます。ヘルプキーは設定メニューの「操作カスタマイズ…」で変更できます。

基本的な流れ

  1. 補正レイヤーを追加します。追加時に、最初のマスク種類を選びます
  2. マスクを作成します。手動、グラデーション、範囲、被写体、領域などから選べます
  3. 効果を選択します。効果ピッカーで検索し、必要なパラメータを調整します
  4. 境界を整えるため、マスク反転、フェザー、拡張 / 縮小、不透明度を調整します
  5. 必要に応じてレイヤーを複製し、別の効果を重ねます。1 レイヤーにつき効果は 1 つです
  6. 保存用の画像が必要な場合は、パネルを閉じて Ctrl+E で書き出します
💡
効果の種類や各パラメータの詳しい意味は、効果ピッカーと各コントロールのツールチップで確認できます。 マニュアルでは効果一覧を羅列せず、マスク作成とレイヤー操作の考え方を中心に説明します。

レイヤーの考え方

補正レイヤーは、マスク効果を 1 セットにしたものです。 レイヤー一覧の上から順に合成され、上にあるレイヤーほど後から重なります。

Ctrl+Z / Ctrl+Y で、レイヤー追加、削除、移動、マスク編集、パラメータ変更を取り消し / やり直しできます。

修復/塗り

消しゴムで消しにくい細部は、効果ピッカーの「基本」から 修復/塗りを選びます。結果はマスク付き補正レイヤーとして保存され、 元画像の画素は書き換えません。

モード動作主な用途
単色で塗るスポイトで拾った色へ置き換えます。スポイト半径を上げると周囲を平均します無地背景や小さな汚れを確実に覆う
輝度を残して塗るスポイト色の色合いと、元画像の明暗を組み合わせます陰影や凹凸感を残した色修正
周囲から修復マスク外のテクスチャを探して埋め、周囲の色とコントラストへなじませます壁、布、紙、背景の細かい柄に溶け込ませる
クローンコピー元と塗り先の基準点のずらし量を、マスク全体へ固定して複写します使う場所を自分で確実に選びたい修復

周囲修復にはマスク外の参照領域が必要なため、手動マスクなどで修復したい範囲だけを選びます。 「探索半径」と「処理品質」を上げるほど広い候補を丁寧に探しますが、 合成に時間がかかります。「パッチサイズ」の既定「自動」は処理品質に応じて 高品質 10 px・標準 12 px・高速 14 px(従来値)を使います。広い模様や色面では 「標準 (24 px)」「大きめ (48 px)」を手動で試せます。 結果が合わないときは「別の修復候補」を押します。 「テクスチャ保持」は細かい質感、「色のなじみ」は境界との色差を調整します。 マスク設定の「境界なじませ」は、修復元や生成テクスチャをぼかさず、最後の合成境界だけを 内側へ滑らかにします。外側にもなじませ幅を確保したい場合は、先に「拡張/縮小」で範囲を広げます。

💡
クローンは「コピー元を指定」→画像をクリック→「塗り先の基準点を指定」→画像をクリック、の順で設定します。 実際に置き換える範囲はレイヤーのマスクで決まります。

マスクの基本

マスクは「どこに効果をかけるか」を表します。白い部分ほど効果が強く、黒い部分には効果がかかりません。 グラデーションや被写体マスクのような柔らかいマスクでは、中間の濃さに応じて効果がなだらかに混ざります。

項目使い方
マスク反転選んだ範囲の外側に効果をかけます。人物を選んで背景だけぼかす、背景を選んで人物だけ明るくする、といった使い方に向いています
フェザーマスクの境界をぼかします。補正の段差や輪郭の不自然さを減らせます
拡張 / 縮小マスクを外側へ広げる、または内側へ縮めます。背景ぼかしで輪郭のにじみを避けたいときは少し縮小すると調整しやすくなります
マスク表示W で選択中レイヤーのマスク表示を切り替えます。色はパネルのマスクカラーから変更できます
元画像表示Q で補正レイヤー直前の画像を確認できます。効果のかかり方を比較したいときに使います

マスク種類

レイヤー追加時、または「マスク種類変更」から、ベースになるマスクを選びます。 効果は残したままマスク種類だけ差し替えられるため、先に効果を決めてから範囲を試すこともできます。

種類特徴向いている用途
全体画像全体を白いマスクとして扱います補正レイヤーの効果を全体へ重ねたいとき。除外したい部分は削除マスクで抜けます
手動筆、囲み、多角形、直線、矩形、楕円などで自由に作るマスクです狭い範囲を意図通りに選ぶ、AI や範囲選択の結果を最終調整する
線形グラデーションドラッグした方向に沿って効果がなだらかに変化します上だけ暗くする、下だけ明るくする、背景へゆるく効果をかける
円形グラデーション中心から外側へ効果がなだらかに変化します主役の周辺だけ落とす、中央だけ明るくする、スポット的にぼかす
輝度画像全体から明るさの範囲に合う部分を選びますハイライトだけ、暗部だけ、白い紙面だけなどを調整する
カラースポイトで指定した色に近い部分を画像全体から選びます特定の服色、空、髪色、背景色だけを調整する
被写体被写体 / 背景のマスクを生成します。モデルが必要な場合はツール内の案内に従います人物やキャラクターを大きく選び、反転して背景を加工する
領域色と境界から候補領域を作り、クリックして必要な領域を選びます髪、服、小物など、色や境界で分かれた部分をまとめて選ぶ

追加マスク / 削除マスク

グラデーション、輝度、カラー、被写体、領域などのマスクは、まずベースマスクとして残ります。 その上から手で足したい部分は追加マスク、抜きたい部分は削除マスクで調整します。

追加 / 削除マスクは、ベースマスクそのものを壊しません。閉じている間は手描き編集のパネルを表示せず、ベースマスクと効果の設定に集中できます。

手動マスクツール

手動マスク、追加マスク、削除マスクでは、次のツールを使えます。 描画 / 消去は D / F で切り替えます。

ツールキー操作
B円形ブラシで自由に塗ります。太さはパネルのスライダーで変えられます
境界筆Aストローク開始点に近い色を優先して塗ります。輪郭をまたぎにくい筆として使います
隙間補完G線や塗りの小さな隙間を埋める用途のブラシです
囲みLドラッグで囲んだ範囲を塗ります。大まかな範囲を素早く作るときに使います
多角形Pクリックで頂点を置いて範囲を作ります。直線的な境界を正確に選びたいときに使います
選択S直線、矩形、楕円などのオブジェクトを選択し、移動・変形・削除します
直線I太い直線を作ります。綴じ跡や一直線の光、帯状の調整に使えます
縦線 / 横線V / H画像の端から端まで届く縦方向 / 横方向の帯を作ります
矩形 / 楕円R / O後からハンドルで編集できる図形マスクを作ります

手動マスクのビットマップ部分には、1px 拡張、1px 縮小、スムーズなどの整形操作も使えます。 レイヤー全体のフェザーや拡張 / 縮小とは別に、マスクそのものを整えるための操作です。

画像上での操作

プレビュー

補正レイヤーは CPU worker で非同期に合成されます。変更直後は一時的に補正レイヤー抜きの下位画像が表示され、計算が終わると最新結果へ差し替わります。 古い補正レイヤー結果を残したまま見せないための挙動です。

保存と書き出し

補正レイヤーは自動保存され、同じ画像を開くと復元されます。 中央の保存先は %APPDATA%\mimageviewer\local_adjust.db です。 環境設定で「フォルダに補正・マスク設定のバックアップを保存する」が ON の場合は、フォルダ直下の mimageviewer.dat にも復元用の情報が保存されます。

Ctrl+E のエクスポート、またはキャプチャ保存では補正レイヤー結果が反映されます。 補正レイヤーの再合成中は、最新結果が揃ってから書き出してください。